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09:17:22 | | page top↑
デジモン映画のスペース、および02のテレビの最終回について
2023 / 11 / 03 ( Fri )
現在公開中のデジモン映画の宣伝の一環で、X(ツイッター)のスペースでデジタルモンスターのモンスターデザイナー氏と、今回の映画ではスーパーバイザー、デジモンアドベンチャー当時のプロデューサー氏の対談が公開されてました。


https://x.com/DM_Partners/status/1719307517342470312?s=20


映画の内容について触れることは本稿の目的ではありません。スペースの対談の一部で気になったことがあったのでそのことを書いておきます。

プロデューサー氏(以下P)の発言の一部にこういう一節がありました。正確ではありませんが

「デジモンアドベンチャー02の最終回、主人公たちがおとなになりその子どもたちが揃う場面がある。その前にも世界中のパートナーデジモンを持つ子どもたちが出てくるが、昨今の世界情勢を見ているとあの子どもたちもその後各地の紛争などに巻き込まれて平和ではなかったのではないかと思うようになった」

それが今回の映画にどう繋がったのかはさておき。
『デジモンアドベンチャー02』の最終回、とくにその舞台である2002年から25年後の場面を作るに当たって、そこまでの年数の間のことを考慮せずに作られたかのように言われたことには、そうではなかったはずですよ、ということはこちらが覚えてる限りのことは書いておきたいかと。
その場面になるまでの経緯は番組のシリーズディレクター(監督)の自分含め脚本家チームとも相談した上でのことなので、考慮してなかったと思われるのは他の脚本家の方たちに対しても心外なこととなります。

では何をどれくらい考えてたのかと言うことを少し書いておきます。
前提としてTVアニメ前作『デジモンアドベンチャー』から続く設定として、人間の子供とデジタルモンスターがパートナー関係となることが発生する。その数は年ごとに倍になる。前作の舞台でもあり放映当時リアルタイムの1999年はその数が8で、番組の主人公の子どもたちだった。3年後の2002年を舞台とした『02』では64人があらたにそうなってるはずで、そのうちの3人が番組の主人公チームのうちの3人。最終回クライマックスでは世界中のパートナーデジモンを持つ子どもたち累計100人以上が集結。正確な累計の数字の全員よりは少し少ないのはそのときにどうしてもあつまれない理由がある人達もいるから。
その前提の延長で、25年後には子供だけでなく大人までふくめた全人類にデジモンのパートナーができている。ではその途中経過にどういう事が起きるのか。パートナーデジモンを持つということは、少なくともそのデジモンが現実世界にいる間はその分の余分な居住スペースも食料も必要となる。能力によってはかなり危険なこともあるかもしれない。数が少ないうちはともかくある程度以上になると差別隔離などの対象にもなるだろうし、軍事利用する動きも当然出てくる。そもそもどの年、どの時間をとっても世界中で何も紛争などが起きてない時などなく、そうでなくても住むこと自体が危険な地域だって世界中いくらでもある。パートナーデジモンを持つ子どもたちは大変な危険にさらされる。それが大人まで拡大していく過程では、宗教のあり方まで影響を及ぼす。世界中で。それが平和なままでいられるはずがない。現実のこちらがわの世界とほぼ同等の大きさを持つと思われるデジタルワールドとの関係だけとっても、それまでの文化、国、というものまで揺るがしかねないことになることも予想される。
なぜそんなことまでしてパートナーデジモンを持つ人が増えるのかということについては、人類の進化とデジモンの関係のことになり、以前に何処かのインタビューやネットでのトークで話したこともあると思います。
ともかくもそういう地球規模の大変な事態が一旦落ち着いたのが、世界中の人類全てにパートナーデジモンが行き渡った25年後というわけで、やっと主人公たちが安心して全員会えるようになった久しぶりの機会でもあったのがあの場面なのです。途中経過の部分はほんの少し描くだけでも大変なことになり、重いことになってしまうのでナレーションで「ここまでの道のりは平坦ではなかった」とだけ触れることとしました。日曜朝の子供向け番組としてはここまでで精一杯という判断でした。
ではそれまでの間、主人公たちは何をしていたか。それもある程度は考慮してました。
21世紀に入って増える速度が上がったパートナーデジモンを持つ子どもたちが危険にさらされそうになるのを、黙ってみているはずはありません。子供を保護する活動を始めていくとそれは世界中を飛び回ることにまでなっていくはず。いろんな紛争などにも関わることになるかもしれません。危険を乗り越える能力の高い太一はそのなかで少しずつ局地的にからでも物事を収める役目を負っていくことになります。25年後、大人の太一の職業を外交官、と表記しましたが、一つの国にとらわれてるわけではなく、自由な立場で平和や友好をもたらそうとする人を表すうまい言葉が見つからなかったからです。その活動があまりに多岐にわたって多忙だったため、後輩である大輔よりも結婚や子供を作るのが遅れることになり、最終回の場面では太一の子供がほぼ一番幼いということになってます。そういうことまで考えて作られた場面だったことがわかる絵になってるはずです。

他のキャラクターのこともついでに書いておきます。
人類全てにパートナーデジモンがゆきわたり実際にいろんな揉め事が収まる少し前から、そうなる原因は何なのかは研究されてました。もちろん、光子郎はその一員です。それが進化に関した事がわかってくるにつれ、進化を阻害しようとする力の存在も明らかになってきます。それがたとえばダークマスターズが異常に強い力を有してた原因でもあったし、というようなことはすこし小説版デジモンアドベンチャーでも書いてたように思います。ではその進化を阻害する力はどこから。どうやら地球外かららしい。その原因を突き止めるためまず月面の調査が必要となり、ヤマトとガブモンが選抜されます。ただの調査と違って、その進化を阻害する力がどんな危険をもたらすか誰にもわかりません。人間のパートナーとなったデジモンすべてが完全体、究極体まで進化するわけではないなかで、高い戦闘能力と豊富な経験を持ち、宇宙まで運ぶとなるためあまり大きなデジモンではなく、場合によっては宇宙空間でも活動できそうなデジモンをパートナーとする人間としてヤマトが最初の適任者の一人となります。月面で、「今度は木星だ」とヤマトが言うのは『2001年宇宙の旅』を意識してのことで、この話全体が進化に関する話ですよということを表したつもりでした。
丈は医大を出る前から太一たちの後方支援を担当、こちらの世界とデジタルワールド両方で国境なき医師団のような活動をすることになります。空やミミ、ヒカリたちの最終的な職業につては女性脚本家さんに案を出してもらいましたが、そこにたどり着くまでは保護した子どもたちの衣料、食料など自分が得意とすることをそれぞれ支援していたはずです。
太一たちが活動を本格化される頃まだ学生だった後輩たちは、それでも阿智琴でうまいものを食べさせようとする大輔。賢は年々増えるデジモンを使った犯罪に対して、かつての自分と同じ間違いをさせたくないと、その頃創設される警察のデジモン対策課に志願。そうした賢の活動を見ていた伊織は悪いことを憎むだけでなく色んな事情があるんだと言うことをわかっていて弁護士へ。京やタケルもいろんなことをしているはずですが、それはまた別の機会に。

というような話を最終回脚本決定稿になる前にしてました。
同じようなことを今公開してる映画のの前作の準備に少し関わったときに、当時のプロデューサーたちに数カ月に渡ってレクチャーと2010年代なら誰がどこでどんなことをして、世界はどうなってるかというシミュレーションをすすめていたのですが、それはその後に生かされないことになりました。

先のスペースで対談してたPもその時いたので、世界は平和ではないということを聞いていたはずなのですが、覚えてなかったのでしょうか。

最初に書いてように、その後の映画がどのように作られたか、とは関係なく、02最終回の最後の場面はいろいろ考慮して作られてました、ということをはっきりさせておきたいためだけに本稿は書かれてます。当時のデジモンアドベンチャー、および02についてまたなにか書くことがあるかもしれませんが、今回はここまで。

画像は2018年位に出たブルーレイボックス



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03:09:31 | デジモン系 | page top↑
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コメント
--ありがとう--

こんな裏話聞けて感謝します。
テレビシリーズも映画も一つ一つきりわけて
いつもデジモンシリーズには楽しませてもらってます。
長文大変お疲れ様でした。
02の最終回にたどり着くまでの当時の経緯、楽しませていただきました。
by: デジモンファン * 2023/11/03 16:11 * [ 編集] | page top↑
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